- 日時:令和8年5月24日(日) 10:00~12:00
- 会場:御殿場市民交流センター ふじざくら 大広間
- 講師:本崎肇氏(神山認定こども園園長)
- 参加者:26名
講演を要約します。
激動の半生を経て保育の道へ進んだ先生は、働く母親のために設立した託児所での苦い経験から、国認可の「神山保育園」を開園しました。親会社の工場閉鎖による巨額の借金危機に直面した際も、大学時代の縁から矢崎総業の会長に救われ、窮地を脱して保育に専念することとなります。
園長就任後、子どもの「分離不安」を研究する中で出会ったのがマリア・モンテッソーリの教育法でした。子どもが静粛活動を通して内面を見つめる「本物」の姿に衝撃を受けた園長先生は、その核心である「大人と子どもは根本的に異なる存在である」という事実にたどり着きます。
子どもは、潜在意識(右脳)で環境を丸ごと写し取る「吸収する精神」や、特定の物事に執着する「敏感期」のプログラムを持っています。しかし、大人が先回りや邪魔をすると、身体と精神のエネルギーがバラバラになり、乱暴や無気力といった歪みが生じてしまいます。これを防ぎ、本来の素晴らしい人格へと「正常化」させるためには、子ども自身が環境から教具を「自由選択」し、深く「集中」し、「最後までやり遂げ」、心からの「充実感」を得るという4つのプロセスが不可欠です。この繰り返しが脳の神経回路を新しく書き換え、自立心や協調性を育みます。
この教育で育った藤井聡太氏らが驚異的な集中力を発揮するように、卒園生たちは強い信念を持つ大人へと成長しています。昨今、青年たちが特殊詐欺などの犯罪に容易に加担してしまう背景には、従来の知識偏重教育の限界があります。今こそ大人が環境を整え、幼児期から「頑張り抜く力」や「善悪の判断力」といった非認知能力を育むことこそが、現代社会の歪みを正し、平和な世の中を作る鍵であると訴え、講演を締めくくりました。
子育て世代から祖父母、地域のボランティアやNPOの方が参加され、「モンテッソーリ教育を早く知りたかった」などの多くの絶賛の声が寄せられ、地域全体で子育てを支える意識の醸成になる講座でした。


